タイでの活動について

    

  1、タイでの主な活動


●HIV感染者を家族に持つ子供たちの就学支援活動(里親制度)及び里子訪問


●サイアムケア(タイのHIV感染者を支援する現地NGO)への支援金及び物資等の寄付


●サイアムケアが行なっているHIVに感染した子供たちに対する粉ミルクの無償提供の活動に対する協力


●チョウタリィ・ムクダハン・プロジェクト(エイズ予防教育、感染者ケア、自立支援のための地場産業作りのプロジェクト)におけるチョウタリィ・ハウス(現サイアムケア・ムクダハン事務所)及びコミュニティセンターの開設等の活動


●バンコクにおけるエイズ患者家族が安心して暮らせる住居(シェルター)の開設 (活動終了)


●バーンロムサイ(チェンマイのエイズ孤児を受け入れている施設)でのハンディクラフトの製作支援活動 (活動終了)


2、タイでの活動の内容


●HIV感染者を家族に持つ子どもたちの就学支援活動(里親制度)及び里子訪問について

【同プロジェクトの概要】
 活動地域 バンコク、ムクダハン県、パンガー県
 @HIV感染者を家族に持つ子どもたちへの里親制度による就学支援
 Aカウンターパートによる里子の近況報告と里子との手紙の交換
 B里子訪問活動

【同プロジェクトの目標】
HIV感染者を持つ家庭は、概して貧しく、精神的にも疲れており、経済的に子どもを学校に通わせることが困難な状況である場合が多く、それらの子どもたちは、未来に希望を持つことができない状況にあります。
また、その状況は貧困層の固定化につながり次世代においても貧困の連鎖が続く原因となっています。
チョウタリィでは、理不尽にも困難な状況にある子どもたちの未来を開くため同プロジェクトの目標を次の様に掲げています。
 @子どもたちに教育を受ける機会を与える。
 A子どもたちが健やかに育ち、夢や希望を持つことができる環境を作る。
 B貧困の連鎖をくい止める。

【同プロジェクトの経緯】

                             里子のジンちゃん→

タイにおけるチョウタリィの活動は、山口代表が1997年にバンコクでHIV感染者を支援している現地NPOサイアムケアにおいて個人的にジンちゃん(故人)の就学支援を行なう里親になったことがきっかけとなりました。


タイでは、今現在においてもHIVに感染している人が多くいます。両親ともエイズを発症し経済的に劣悪な状態に陥る子どもたちもおり、その様な状況下の子どもたちは、教育を受ける事が極めて困難な状態になっております。

←里子ガウザー君からの手紙

チョウタリィでは、1998年に現地NPOサイアムケアの活動の支援を開始し、HIV感染者を家族に持つ子どもたち10名をチョウタリィが就学支援の里親となって責任をもって受け入れる契約をしました。そして、その子どもたちの就学支援の里親になってくれる方をタイ里親会員として募集しました。この活動は現在においても継続して行なっております。

 ←ムクダハンの里子トソ君を訪問

また、チョウタリィでは、里子と手紙を交換し、さらに現地に赴き里子の訪問活動を行なっております。直接里子やその家族に会って、語り合い、衣料品や文房具、玩具などを贈っています。また、里子が通う学校へも訪問し校長や担任の教師と会談することもあります。




【これまでの同プロジェクトの成果及び問題点】
同プロジェクトは、1997年より里親制度として子どもの就学支援を行ってきました。
その間に、HIVの母子感染によりエイズを発症してしまい、不幸にも亡くなってしまう里子もいました。ここ数年においてエイズの発症を抑える薬が開発され、里子がエイズを発症することはなくなりました。
元里子については、結婚したり、仕事に就いたりして暮らしているケースもありますが、残念ながら未だに貧困から抜け出すことができないケースも見受けられます。ここ数年における、タイ国内の経済の急激な発展により、物価が上昇し、貧富の格差が拡大していることもその原因の一つであると考えられます。
タイにおいて貧富の格差の問題は、貧困層と富裕層との間で激しい対立をまねき深刻な社会問題となっています。
この様な経済格差と貧富の対立の問題は、HIV感染者を家族に持つ人々の暮らしにも大きな影響を与えています。


●サイアムケア(タイのHIV感染者を支援するNGO)への支援金及び物資等の寄付について

【同プロジェクトの概要】
 活動地域 バンコク、ムクダハン県、パンガー県
 現地NGOサイアムケアへの物資及び支援金の提供よるHIV感染者に対する自立支援

【同プロジェクトの目標】
 @HIV感染者家族の生活支援に伴い、それら家族の自立を促す。
 A当該地域の貧困の連鎖の解消

【同プロジェクトの経緯】
                    支援提供したミシンで作業する人々→

  チョウタリィでは、就学支援活動と共に、1998年からタイのHIV感染者を持つ家族を支援する基金としてチョウタリィ・ショップでの収益とチョウタリィのイベント(コンサート、展覧会、バザー等)の収益金、また助成団体から配分された基金の全額を現地のNGOサイアムケアに援助してまいりました。物資等においては、2000年及び2001年にHIV感染者家族の自立支援のための什器としてミシン6台等の提供を行いました。また、サイアムケアが行なっている支援家族のために配布する衣料品、文房具、玩具等の提供を行い、自立支援によって製作されたクラフト製品を購入しチョウタリィ・ショップやバザー等で販売活動を行なっております。

【これまでの同プロジェクトの成果及び問題点】
自立支援によって作られたクラフト製品は、タイ国内においてのフェアトレードのイベントなどに出展され、販路の拡大が図られています。チョウタリィ・ショップ及びイベントにおいても販売しています。


●サイアムケアが行なっているHIVに感染した子供たちに対する粉ミルクの無償提供の活動に対する協力について

チョウタリィでは、サイアムケアが行なっているHIVに感染している子供たちに対して粉ミルクの無償提供活動に支援金等の協力を行なっております。


●チョウタリィ・ムクダハン・プロジェクト(エイズ予防教育、感染者ケア、自立支援のための地場産業作りのプロジェクト)におけるチョウタリィ・ハウス(現サイアムケア・ムクダハン事務所)及びコミュニティセンターの開設等の活動について

【同プロジェクトの概要】
 活動地域 ムクダハン県
 @イサン地方ムクダハンで暮らす人々を対象としたエイズの予防教育
 Aムクダハンにおいて、HIVに感染した人に対してのケア
 Bムクダハンにおいて、自立のための地場産業作り支援
 Cムクダハンにおける、チョウタリィ・ハウス(サイアムケア・ムクダハン事務所)の開設
 Dムクダハンにおける、コミュニティセンターの開設

【同プロジェクトの目標】
 @エイズ予防の啓発を行うことによって、HIV感染者及びエイズ患者の減少を図る。
 AHIV感染者のケアを行うことによって、感染者に希望を持つことのできる環境を作る。
 B出稼ぎ労働者の減少を図るための地場産業を創出する。
 Cムクダハンにおける、貧困の連鎖を止める。

【同プロジェクトの経緯】

←ムクダハンの里子の家

1998年当時、支援先である現地NPOのサイアムケアでは、HIV感染者への訪問活動を主な活動として行なっていましたが、エイズ予防教育等の啓発活動は行なわれておらず、このままの活動だけでは、その元凶となるHIV感染者の減少を図ることはとても不可能であると思いました。この観点からチョウタリィでは、エイズにおける予防教育の必要性を感じ、予防教育活動に重点を置いたチョウタリィ・ムクダハン・プロジェクトを開始致しました。 

チョウタリィ・ムクダハン・プロジェクトとは、タイの厚生省の資料等を当地の社会福祉士等と共に調査した結果、タイにおけるHIV感染者の43%の人がタイ東北部イサン地方の出身者であることが判明し、その事実に着目して行われている地域改善プロジェクトです。
具体的には、@イサン地方ムクダハンで暮らす人々を対象としたエイズの予防教育、A感染した人に対してのケア、Bムクダハンにおいて自立のための地場産業作り支援、以上三点の活動を中心として行われています。

イサン地方では、貧困のためにバンコクなど都会に出稼ぎにきた人たちがHIVに感染してしまうケースが多く、その主な理由が、エイズに関する知識の無さであることでした。チョウタリィでは、始めにイサン地域に予防教育の拠点となる、事務所及びスタッフの確保を図り、現地にチョウタリィハウス(現サイアムケア・ムクダハン事務所)とコミュニティセンターの開設を致しました。

現地での予防教育の具体的な活動として

○病院、学校等の公共施設にエイズ予防のポスターとパンフレット及びハンドブックの配布


↑チョウタリィが作成し、配布したエイズ予防ハンドブック

○患者や一般の人を対象にしたヘルプ電話の設置

○エイズ検査の実施

○エイズ予防セミナーの実施

○自立支援のための職業訓練及び予防教育等の活動

エイズ予防セミナーにおいては、地域の人々にエイズと言う病気の理解と予防方法を、小学校、中学校、コミュニティー等で開催し、また、感染者の家族、親戚、友人等を対象としたセミナーも開催しています。さらに、エイズ予防教育を担うリーダーを養成するためのセミナーも開催しリーダーの育成を図りました。また感染者に対しては、感染者のためのセミナーを開催し、エイズ予防と感染者の心のケアを図る目的で行なわれています。

職業訓練で栽培したマッシュルーム

これらの啓発活動と同時に出稼ぎに行く人を少しでも減らすために職業訓練指導(マッシュルーム栽培、クラフト製作等)を行ない、またミシン6台を提供し地域の自立のために地場産業作りの活動も併せて行ないました。





【これまでの同プロジェクトの成果及び問題点】
同プロジェクトは、1999年から2001年までの3年計画で実施し、それ以降の現地での活動は、サイアムケアに引継ぎました。支援金等による支援活動は今も継続して行なっております。
ここ数年において、タイ国内においてエイズ予防の啓発が浸透し、また、エイズの発症を抑える薬が開発され着実にその患者は減少傾向にあります。ただ、HIV感染者は依然として多い状況となっています。


●バンコクにおけるエイズ患者家族が安心して暮らせる住居(シェルター)の開設について 
 (活動終了)


【同プロジェクトの概要】
 活動地域 バンコク
 @エイズ患者の家族に心穏やかに安心して暮らせる住居の提供。
 Aエイズ患者家族に対する生活支援

【同プロジェクトの目標】
 エイズ患者の家族が偏見や差別に苦しむことのなく心穏やかに暮らせる場所を作る。

【同プロジェクトの経緯】

患者家族が安心して暮らせる住居(シェルター)

里親を始めた1997年当時のタイの社会では、エイズの病気やエイズ患者に対する理解が乏しく、患者に対する偏見や差別が多くなされていました。
その様な状況において、チョウタリィでは、エイズを発症した患者の家族が近隣等からの差別や嫌がらせを受けることなく少しでも心穏やかに安心して暮せるために、シェルター(住居)を1998年にバンコク市内に開設しました。


【同プロジェクトの成果と問題点】
シェルター開設当時タイでは、エイズという病気に対しての理解が著しく乏しい状況で、患者の人々は、近寄っただけでも病気がうつるのではないかとの偏見を受け、日常生活においても支障をきたすほどの差別を受けていました。患者やその家族にとっては、病気との闘いに加え、偏見や差別とも闘わなければならない状況となり、その生活は困難を極めていました。
この問題においての根本的な解決策は、本来ならその様な偏見や差別をなくすための啓発活動を行い人々の理解を得ることであり、チョウタリィにおいても、エイズ予防啓発活動を通して人々へエイズという病気の理解を深める活動を推進していましたが、人々への理解の浸透を得るには、あまりにも時間が足りない状況でした。
エイズ患者の人々を世間の目に触れないようにするというシェルター開設事業においては、根本的な解決方法ではないため、ジレンマもありましたが、患者家族の平安な生活を最優先として行いました。
成果としては、エイズ患者の家族が心穏やかに生活をすることができたものと思います。
ここ数年においてエイズの予防啓発活動の成果とエイズの発症を抑える薬の開発などで、タイにおけるエイズ患者の数は減少傾向にあります。エイズに対する人々の理解も浸透し、これらの成果により同プロジェクトを2012年度をもって終了することができました。


バーンロムサイ(チェンマイのHIV感染孤児を受け入れている施設)でのハンディクラフトの製作支援活動について (活動終了)

【同プロジェクトの概要】
 活動地域 チェンマイ県
 @バーンロムサイ及びその地域の自立支援のためのミシン等の提供
 A同施設においての染色講習によるハンディクラフト製作の支援活動

【同プロジェクトの目標】
 @バーンロムサイの趣旨に賛同し、同施設の運営に協力する。
 A同施設の周辺地域の自立を促す。

【同プロジェクトの経緯】

             
             バーンロムサイ(チェンマイ)での染色講習→

チョウタリィでは、タイでの里子の訪問を繰り返し行なっていますが、その度にとても悲しい状況を目にしてきました。里子の両親が亡くなってしまったり、または、重篤な症状に及んでいたりすることが少なからずあります。また、その様な家族の生活はあまりにも劣悪な状態となっています。チョウタリィでは、その様な家族に対するケアの充実を図る目的として、里子への就学資金とは別に、チョウタリィ・ショップでの収益金及び衣服等の物資を現地NGOのサイアムケアに対して寄付してまいりました。しかし、残念なことに、それらの支援金等がその様な状況にある家族たちの生活の向上につながるには、まだまだ不足しているのが現状です。

その様な状況を踏まえて、チョウタリィでは、両親を亡くした里子やその兄弟たちが健やかに暮らせる支援を考察しております。
その過程において、チェンマイのバーンロムサイというHIV感染孤児を受け入れる施設の存在を知りました。バーンロムサイでは、代表の名取美和氏の「大きな家族」という考えに基づいて、あくまでも「家族」という概念において子どもたちを育てられており、子どもの受け入れ人数を20人前後とし、また幼児以下の子どもを受け入れの対象としておられています。よってチョウタリィの里子たちの受け入れは可能ではありませんでしたが、バーンロムサイの活動は、チョウタリィの趣旨においても賛同する点が多数ありました。そこでチョウタリィでは、2002年に支援金を送り、バーンロムサイ及びその地域の自立支援のためにミシン等の提供を行ないました。またハンディクラフト製作の支援活動として染色講習を行ないました。

【同プロジェクトの成果】
バーンロムサイは、名取代表を中心にスタッフの方々やボランティアの方々の子どもたちに対する思いが深く、素晴らしい団体であることを現地での活動を通して感じることができました。またその活動の輪も広がり著名な団体として広く多くの人々に認知されておられます。チョウタリィでは、バーンロムサイに対しての活動は、当初より、一時的に行なえる支援として活動させて頂きました。


チョウタリィのタイにおける活動の動画はこちらよりご覧下さい。


                     

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